塩化ビニル(PVC)の環境問題について

 フロンガス、炭酸ガス、酸性雨問題から端を発し、プラスチック廃棄物問題が最近クローズアップされてきています。塩化ビニルは優れた特性と経済性から建築部材、農業資材、包装資材、玩具など、広く使用されていますが、焼却時の塩酸ガスやダイオキシン問題などでドイツ、北欧を中心にアンチPVCの動きが活発になっています。しかしPVC焼却時に発生する塩酸ガスの酸性雨に対する寄与率は極めて低く、また、焼却時間を適切に選べばダイオキシンの生成も許容範囲以下に抑制できる事が明らかにされており、ヨーロッパではAPME、アメリカではSPI、日本では塩化ビニール工業協会などがPVCの安全性、適正な使用法および処理と再利用などに付いて積極的にPRしている。

 塩化ビニール工業協会は、1990年に廃棄物処理・再資源化特別委員会を設置し、塩ビ廃棄物問題の内外の調査、再資源化および情報普及の活動を行うとともに、1991年、塩ビ関係団体による「塩化ビニルリサイクル推進協議会」を設立し、塩ビのリサイクル推進事業を中心に廃棄物問題に対処している。

 現在、塩ビに関する正しい知識の普及を図るための広報活動や塩ビボトル、塩ビ卵パック、塩ビ管の再資源化の推進のため、回収、処理、再利用について調査、実験を行う一方、焼却問題についても無公害の確立を図るなど、塩ビリサイクル事業の推進に向けた独自の活動を展開している。